中央大学 · 2026年度 · アルコール

アルコール発酵の計算。グルコースからエタノールは何g?理工3学部(一般・英外) 化学 第Ⅰ問(9)

「係数が2だから90gの2倍」ではありません。係数の比はmolの比です。グルコースからエタノールへ変換し、二酸化炭素も含めて質量が保存されるところまで図で確かめます。

分子と反応のつながりを表した概念イラスト
考え方のイメージ図。正確な条件は下の図で確認。
中央大学 2026年度 · 化学

問題文・図

理工3学部(一般・英外) 第Ⅰ問(9)

原子量:H = 1.00、C = 12.0、O = 16.0、Na = 23.0、S = 32.0、Cl = 35.5、I = 127。選択肢から1つ選びます。

中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 化学 第Ⅰ問(9):問題 10ページの問題文・図・選択肢
問題 10ページ · 公式PDF 12ページ

出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗

条件を整理する

第Ⅰ問(9)では、工業的な製法、飲料用の製法、グルコース90gを完全にアルコール発酵させたときの生成量を組み合わせて選びます。計算ではグルコース180、エタノール46、CO₂ 44の分子量を用います。

まず、答えから

グルコース90gを完全に発酵するとエタノールは何g?

46gです。グルコース1 molからエタノール2 molとCO₂ 2 molが生じます。90gは0.50 molなので、エタノールは1.0 mol。工業的なエチレンへの水の付加ではリン酸触媒を使い、公式解答は⑦です。

さわって理解する

90gは、どこへ行く?

投入するグルコースの質量を変えると、完全反応した場合のエタノールとCO₂の質量が変わります。

グルコース → エタノール + CO₂グルコース90 gエタノール46 gCO₂44 g46 + 44 = 90 g

グルコース 90g → エタノール 46g + CO₂ 44g

解法を、順番に。

STEP 01

反応式の係数を先にそろえる

グルコース1分子からエタノール2分子とCO₂ 2分子が生じます。炭素は6=4+2、水素は12=12、酸素は6=2+4と一致します。

工業製法のエチレンへの水の付加と、グルコースの発酵は別の反応です。どちらもエタノールを得ますが、出発物質と反応式を混ぜないようにします。

C6H12O6⟶2C2H5OH+2CO2\mathrm{C_6H_{12}O_6\longrightarrow2C_2H_5OH+2CO_2}
STEP 02

グルコース90gを0.50molにする

グルコースのモル質量180 g/molで割ると0.50 mol。反応式の比が1:2なので、エタノールはその2倍の1.0 molです。

質量を最初から2倍する方法では、分子量が違うことを反映できません。g → mol → 係数比 → g の順で進むと、別の反応にも使えます。

n(glucose)=90/180=0.50 moln(\mathrm{glucose})=90/180=0.50\ \mathrm{mol}
n(ethanol)=2×0.50=1.0 moln(\mathrm{ethanol})=2\times0.50=1.0\ \mathrm{mol}
STEP 03

エタノールの質量とCO₂を確認する

エタノールは1.0×46=46 gです。同時にCO₂も1.0 molできるので44 g。46+44=90 gとなり、反応前後の質量が一致します。

気体が外へ出る実験では、容器に残る質量は減ります。しかし反応系全体では質量は保存されます。図では気体も含めて表示しています。

m(ethanol)=1.0×46=46 gm(\mathrm{ethanol})=1.0\times46=46\ \mathrm{g}
STEP 04

完全反応と収率を区別する

本問は完全に発酵すると指定しているので、理論量46 gを答えます。実際に80%しか回収できないなど別の条件があれば、理論量に0.80を掛ける段階が必要です。

触媒の選択は計算とは独立して確認します。エチレンへの水の付加ではリン酸を用いる組み合わせを選び、物質名エタノールと46 gを合わせて⑦になります。

3問で、思い出す

解き方、つかめた?

ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。

0 / 3 問を確認

01 グルコース1molの完全発酵で生じるエタノールは?
答えと理由を見る

2mol。反応式の係数比はグルコース:エタノール=1:2です。

02 グルコース180gが完全発酵するとエタノールは何g?
答えと理由を見る

92g。1molから2mol、2×46=92gです。

03 90gのグルコースから46gのエタノールができたとき、CO₂は何g?
答えと理由を見る

44g。CO₂は1mol=44gで、46+44=90gです。

よくある疑問

なぜグルコースの質量の2倍にならない?

係数の2はmolの比だからです。エタノールとグルコースはモル質量が違います。

アルコール発酵とエチレンの水和は同じ反応?

生成物はどちらもエタノールですが、原料も反応式も異なります。

出典・解答の確認

出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026年2月15日実施)化学 第Ⅰ問(9)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。

解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。

編集・検証方針 · 誤りの連絡:Curigo編集部