問題文・図
理工3学部(一般・英外) 第Ⅰ問(7)
原子量:H = 1.00、C = 12.0、O = 16.0、Na = 23.0、S = 32.0、Cl = 35.5、I = 127。選択肢から1つ選びます。

出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗
条件を整理する
環状構造を含まない脂肪酸からなる、分子式C₅₇H₉₈O₆の油脂について、油脂100 gに付加するI₂の質量を求めます。原子量はC=12、H=1、O=16、I=127です。
C₅₇H₉₈O₆ の油脂のヨウ素価はいくつ?
炭素間二重結合は6本、ヨウ素価は約174です。油脂の分子量は878。油脂100 gの物質量に、二重結合6本分のI₂とその分子量254を掛けます。公式解答は選択肢⑥。
二重結合が増えると、ヨウ素価は?
炭素数57の環のない油脂をモデル化。C=Cの本数を変えると、水素数・分子量・ヨウ素価が連動します。
C=C 6本 · H 98個 · ヨウ素価 173.58(入試の条件)
解法を、順番に。
油脂には、最初からC=Oが3本ある
油脂はグリセリンと3分子の脂肪酸からできるトリエステルです。エステル結合の中にC=Oが3本あり、これも分子式の水素不足に含まれます。
ヨウ素価の計算で数えるのは脂肪酸の炭素間二重結合です。この問題では脂肪酸に環がないと指定されているので、環の分を別に差し引く必要はありません。
水素不足からC=Cを6本と決める
炭素数57の環も多重結合もない炭化水素なら水素は116個。実際は98個なので差は18、二重結合換算で9本分です。このうち3本はエステルのC=Oなので、C=Cは6本です。
別の確認として、同じ炭素数で飽和脂肪酸だけからなる油脂はC₅₇H₁₁₀O₆です。110−98=12、C=Cが1本増えるとHが2個減るので6本と一致します。
100gの油脂をmolに直す
分子量は57×12+98+6×16=878です。100 gは100/878 mol。この1 molにI₂が6 mol付加するので、ヨウ素は600/878 mol必要になります。
ヨウ素の原子量127をそのまま掛けると半分になります。付加する分子はI₂なので分子量254を用います。
答えの大きさを感覚でも確かめる
1 molの油脂878 gには、ヨウ素1524 gが付加できます。その比を100 g当たりにしたものが約174です。油脂100 gより大きな質量が出ても不自然ではありません。
図では炭素数とエステルの数を固定し、C=Cの本数だけを変えます。水素数と分子量も連動して変わる点まで確認すると、単純な比例の暗記から一歩進めます。
解き方、つかめた?
ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。
0 / 3 問を確認
よくある疑問
ヨウ素価が100を超えてもいい?
はい。基準は油脂100gですが、付加するヨウ素の質量が100g以下である必要はありません。
不飽和度をそのまま二重結合数にできる?
できません。環、三重結合、C=Oなども不飽和度に含まれるため、構造の条件から分けます。
出典・解答の確認
出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026年2月15日実施)化学 第Ⅰ問(7)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。
解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。
