問題文・図
理工3学部(一般・英外) 第Ⅳ問(1)ウ〜オ、(5)・(6)


出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗
条件を整理する
第Ⅳ問では、セルロースを無水酢酸などと反応させた後に一部を加水分解し、ジアセチルセルロース82.0gを作ります。末端は無視し、OHと無水酢酸は1:1で反応すると指定されます。繊維名とニトロ化の反応式も解説します。
ジアセチルセルロース82.0gに必要な無水酢酸は?
102gです。本問ではセルロースをいったん完全にアセチル化し、その後に一部を加水分解します。最終製品の置換数は2でも、無水酢酸は繰り返し単位1 mol当たり3 mol消費します。
0個 → 3個 → 2個。残る数と使う数
出発物・完全アセチル化後・一部加水分解後を切り替えます。最終製品82gに対応する、繰り返し単位1/3molを追います。
ジアセチルセルロース · 残るアセチル基 2個 · 無水酢酸消費 102g(加水分解しても消費済みの量は戻さない)
工程
解法を、順番に。
繰り返し単位は162。置換1回で42増える
セルロースの繰り返し単位はC₆H₁₀O₅で式量162です。OHのHをアセチル基COCH₃に置き換えるので、増加分は43−1=42。2か所なら162+84=246です。
無水酢酸の分子量102を、そのまま繰り返し単位に足してはいけません。反応では酢酸も生じ、試薬の全部が高分子へ残るわけではありません。
最終製品82gから単位のmol数を逆算する
82.0÷246=1/3 molの繰り返し単位があります。アセチル化や一部加水分解の過程で主鎖の単位数が変わらないとして、出発時のセルロースも単位で数えれば1/3 molです。
これは高分子全体の分子数が1/3 molという意味ではありません。末端を無視した繰り返し単位を基準として物質量を数えています。
いったん3か所を反応させるので無水酢酸は1mol
問題の工程ではOHを3か所アセチル化してから、1か所分を加水分解します。したがって消費した無水酢酸は単位数の3倍、3×1/3=1 molです。分子量102を掛けて102 gになります。
もし「最初から2か所だけを直接アセチル化する」と仮定すれば68 gですが、それは本問の工程と違います。最終構造だけで試薬量を決めず、反応の順番も読みます。
繊維名と硝酸エステルも整理する
セルロースの鎖を支える分子内・分子間の相互作用は水素結合です。ジアセチルセルロースのアセトン溶液から作る繊維はアセテート繊維。再生繊維のレーヨンとは区別します。
濃硝酸と濃硫酸による反応ではOHが硝酸エステルになり、3か所置換したトリニトロセルロースを得ます。名称にニトロを含みますが、表記は–ONO₂で、C–NO₂を作る反応ではありません。
解き方、つかめた?
ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。
0 / 3 問を確認
よくある疑問
なぜ68gではない?
製品に残る2か所だけでなく、途中で反応させて後から外す1か所にも無水酢酸を使う工程だからです。
アセテートとレーヨンの違いは?
アセテートはセルロースを化学的に修飾した半合成繊維、レーヨンはセルロースへ戻した再生繊維です。
出典・解答の確認
出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026年2月15日実施)化学 第Ⅳ問(1)ウ〜オ、(5)・(6)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。
解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。
