問題文・図
理工3学部(一般・英外) 第Ⅳ問(1)ア・イ、(2)〜(4)


出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗
条件を整理する
第Ⅳ問のうち、二糖をつなぐ結合名、マルトースとトレハロースの還元性と異性体関係、マルトースの分子量、デンプンのヨウ素反応の構造上の理由を扱います。セルロースの誘導体の計算は関連記事で解説します。
同じグルコース2個でも、還元性が違うのはなぜ?
結合に使う炭素の位置が違うためです。マルトースは一方のアノマー炭素が遊離していて還元性を示します。トレハロースでは両方のアノマー炭素が結合に使われ、還元性を示しません。両者は構造異性体で、マルトースの分子量は342。
1位が残るか、結合に使われるか
マルトースとトレハロースを切り替えます。結合位置だけを示す模式図で、正確な立体配置や原子の結合角を表す図ではありません。
マルトース:1位と4位の結合。片方のアノマー位が遊離。
二糖
解法を、順番に。
グリコシド結合と、アノマー炭素を確認する
2つの単糖が水1分子を失って結び付く結合はグリコシド結合です。グルコースのアノマー炭素は、鎖状構造のカルボニル炭素に対応する1位の炭素です。
この位置が遊離のヘミアセタールとして残ると、環が開いてアルデヒド型になる平衡が可能です。還元性を考える際は、単にOHの数を数えるだけでは不十分です。
マルトースは1位と4位でつながる
マルトースは一方のグルコースの1位と、もう一方の4位がα-1,4結合でつながります。2個目の1位は結合に使われていないため、還元末端として働けます。
そのためマルトースは還元性を示します。図では1位を青く示し、結合に使われた位置と自由に残る位置を分けています。
トレハロースは1位同士がつながる
トレハロースではα,α-1,1結合により、2つのアノマー炭素がともに結合に使われます。遊離のアノマー位が残らないので、そのままでは還元性を示しません。
分子式は同じでも原子のつながり方が違うため、両者は構造異性体です。加水分解後の単糖の性質と、分解前の二糖そのものの性質も区別します。
脱水1回で分子量342。ヨウ素反応は別の構造を見る
グルコース2分子は180×2。その間で水1分子18を失うので、二糖の分子量は342です。この計算では結合位置が違っても値は変わりません。
デンプンのヨウ素反応は、らせん構造の内部にヨウ素由来の種が取り込まれることに関係します。還元性の判定と同じ構造を見ているわけではありません。
解き方、つかめた?
ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。
0 / 3 問を確認
よくある疑問
同じ分子式なら還元性も同じ?
同じとは限りません。原子の結合位置が違えば、環が開けるかどうかも変わります。
マルトースとトレハロースは何異性体?
原子のつながり方が違う構造異性体です。
出典・解答の確認
出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026年2月15日実施)化学 第Ⅳ問(1)ア・イ、(2)〜(4)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。
解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。
