問題文・図
理工3学部(一般・英外) 第Ⅰ問(6)
原子量:H = 1.00、C = 12.0、O = 16.0、Na = 23.0、S = 32.0、Cl = 35.5、I = 127。選択肢から1つ選びます。

出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗
条件を整理する
25℃でAgClの溶解度積を1.8×10⁻¹⁰ (mol/L)²とします。純水にAgClを加えて飽和させたときと、NaClを加えて塩化物イオン濃度を0.010 mol/Lにしたときの銀イオン濃度、および現象名を問う問題です。
AgCl飽和溶液にNaClを加えると、銀イオンはどれくらい減る?
Ksp=1.8×10⁻¹⁰から、純水中では[Ag⁺]=√Ksp≃1.3×10⁻⁵ mol/L。[Cl⁻]=0.010 mol/Lにすると、[Ag⁺]=Ksp/[Cl⁻]=1.8×10⁻⁸ mol/Lです。この溶解度の低下を共通イオン効果と呼び、選択肢⑥に対応します。
Cl⁻が10倍になると、Ag⁺は?
横軸を対数で動かし、指定した平衡時のCl⁻濃度と銀イオン濃度を比べます。Ksp=1.8×10⁻¹⁰、固体AgClが共存する条件です。
[Cl⁻]=1.00e-2 mol/L · [Ag⁺]=1.80e-8 mol/L · 濃度の積=1.8×10⁻¹⁰
解法を、順番に。
溶解度積には、水中のイオン濃度を入れる
AgClはAg⁺とCl⁻に1:1で解離します。固体が共存する飽和溶液では、温度が一定なら2つのイオン濃度の積がKspです。
固体AgClの量をそのまま掛けたり、イオン濃度を足したりはしません。ここでは高校化学の濃度による近似を使います。
純水中では、同じ濃度sを2回掛ける
銀と塩化物はAgClからだけ供給されるので、両方をs mol/Lと置けます。s²=Kspだから、sは平方根です。
√(1.8×10⁻¹⁰)=√1.8×10⁻⁵≃1.34×10⁻⁵。選択肢では1.3×10⁻⁵を選びます。指数をそのまま−10に残さないことが大切です。
添加後は、指定されたCl⁻濃度で割る
NaClからCl⁻が加わると、[Ag⁺]=[Cl⁻]とは置けなくなります。設問で示された平衡時の[Cl⁻]=0.010を、積の式へ入れます。
Kspを保つには銀イオン濃度が低くなる必要があります。NaClを加える操作が銀を直接消すのではなく、溶解平衡が固体側へ移ると考えます。
共通イオン効果と緩衝作用を区別する
難溶性塩の構成イオンの一方を別の電解質で増やし、溶解度を下げるのが共通イオン効果です。今回はAgClとNaClでCl⁻が共通しています。
緩衝作用は少量の酸・塩基を加えてもpHが変わりにくい作用です。どちらも平衡の考え方が関係しますが、この設問の現象名としては共通イオン効果を選びます。
解き方、つかめた?
ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。
0 / 3 問を確認
よくある疑問
なぜ純水中では平方根を取る?
Ag⁺とCl⁻が同じ濃度sなので、溶解度積がs²になるからです。
固体AgClも溶解度積に入れる?
高校化学で扱うこの平衡式では、純粋な固体の項は定数に含め、イオン濃度の積で表します。
出典・解答の確認
出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026-02-15実施)化学 第Ⅰ問(6)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。
解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。
