問題文・図
理工3学部(一般・英外) 第Ⅰ問(4)
原子量:H = 1.00、C = 12.0、O = 16.0、Na = 23.0、S = 32.0、Cl = 35.5、I = 127。選択肢から1つ選びます。

出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗
条件を整理する
第Ⅰ問(4)は、水素結合と水の温度変化、外気圧と沸点、氷の構造と密度の3つの説明を判定する問題です。標準大気圧は101.3 kPa、水の沸点はその条件で100℃とされます。
水の高い沸点と、氷の低い密度は矛盾しない?
矛盾しません。水素結合は水分子同士を引き付け、沸騰に必要なエネルギーを大きくします。一方、通常の氷では隙間の多い立体構造を作るため、液体の水より密度が小さくなります。本問は3文とも正しく、公式解答は①。
同じ質量なら、氷の体積は?
水と氷の質量を変えて比較します。密度は水1.00、氷0.92 g/cm³とした近似で、体積の違いだけに注目。
水 100 cm³ / 氷 108.7 cm³。氷は約8.7%大きい体積。
解法を、順番に。
水分子の間に働く力を見る
水素結合は水分子の内部のO–H共有結合そのものではなく、隣の分子との相互作用です。液体から気体になるときには分子間の引力を振り切るためのエネルギーが必要です。
そのため水は、分子量から単純に予想するより高い沸点を持ちます。また比熱が大きく、同じ質量に同じ熱を加えても温度が上がりにくい性質があります。
沸騰は蒸気圧と外気圧がそろうとき
液体の蒸気圧は温度が上がるほど高くなります。沸騰は蒸気圧が外気圧に達すると起こります。したがって高地のように外気圧が低い所では、100℃より低温で沸騰します。
加圧すれば、より高い温度まで上げないと蒸気圧が外気圧に追いつきません。圧力鍋で高温調理ができることも同じ関係で説明できます。
氷では結合の向きが隙間を作る
通常の氷では各水分子の周囲に水素結合によるおおむね正四面体のつながりができ、空間に隙間が生じます。液体ではこの構造の一部が崩れ、より詰まった配置を取れます。
密度は質量÷体積。同じ質量なら体積が大きい氷の方が密度は小さく、水に浮きます。「結合が強いほど密度が大きい」という一律の規則では説明できません。
3文を別々の根拠で判断する
第1の文は水素結合と大きな比熱、第2は蒸気圧と外気圧、第3は氷の隙間の多い構造を述べています。それぞれ正しいため正・正・正の①です。
図の密度0.92 g/cm³と1.00 g/cm³は、0℃付近の氷と水を比較する丸めた目安です。圧力や温度を変えた精密な密度計算ではありません。
解き方、つかめた?
ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。
0 / 3 問を確認
よくある疑問
沸点はいつも100℃?
水では標準大気圧付近で約100℃です。外気圧が低ければ低く、高ければ高くなります。
氷は水分子が軽くなるから浮く?
分子の質量が変わるのではありません。同じ質量が占める体積が大きくなり、密度が下がるからです。
出典・解答の確認
出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026年2月15日実施)化学 第Ⅰ問(4)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。
解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。
