問題文・図
理工3学部(一般・英外) 第Ⅰ問(10)
原子量:H = 1.00、C = 12.0、O = 16.0、Na = 23.0、S = 32.0、Cl = 35.5、I = 127。選択肢から1つ選びます。

出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗
条件を整理する
第Ⅰ問(10)は、天然ゴムを作る単量体、加熱して鎖同士を架橋する際に加える物質、タンパク質のシステインが形成する結合名を組み合わせて選ぶ問題です。
天然ゴムの単量体と、加硫に使う元素は?
天然ゴムの単量体はイソプレン、加硫に使うのは硫黄です。タンパク質でシステイン同士をつなぐのはジスルフィド結合。公式解答は⑧です。
鎖を作る結合と、鎖をつなぐ架橋
架橋のない模式図と、硫黄で架橋した模式図を切り替えます。網目のつながりを見る図で、伸び率や力の定量シミュレーションではありません。
架橋なし:別々の鎖。これは構造の模式図で、力の計算ではない。
状態
解法を、順番に。
天然ゴムはイソプレンからできる
イソプレンは2-メチル-1,3-ブタジエンで、分子式はC₅H₈。天然ゴムでは、その単位が主にシス-1,4の形でつながるポリイソプレンとして存在します。
1,3-ブタジエンを単量体にする合成ゴムと混同しないようにします。炭素鎖に付くメチル基が、イソプレンを見分ける目印になります。
付加重合でつながるが二重結合は残る
イソプレンの1,4付加による繰り返し単位は、–CH₂–C(CH₃)=CH–CH₂–と表せます。単量体の二重結合が2本とも完全に消えるわけではありません。
天然ゴムの長い鎖は、普段は曲がりくねっています。引っ張ると鎖の配置が変わり、力を除くと元の状態へ戻ろうとします。分子間のつながり方が、材料の性質に関係します。
加硫は硫黄による架橋を作る
硫黄を用いた加硫で、別々の分子鎖の間に架橋が作られます。鎖同士がずれて流れ去る動きを抑え、弾性や強度などの性質を改善します。
硫黄架橋は硫黄原子が1個の場合も複数の場合もあり、図では–Sₓ–と模式的に表します。硫黄を増やせば無限によく伸びる、という関係ではありません。
システインはジスルフィド結合を作る
システインの側鎖のチオール基–SH同士が酸化されると、–S–S–というジスルフィド結合を作ります。これはタンパク質の立体構造の安定化に関わります。
アミノ酸同士を主鎖としてつなぐペプチド結合は別の結合です。単量体イソプレン、架橋に使う硫黄、側鎖間のジスルフィド結合を組み合わせると⑧になります。
解き方、つかめた?
ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。
0 / 3 問を確認
よくある疑問
天然ゴムとポリブタジエンは同じ?
単量体が異なります。天然ゴムは主にイソプレン、ポリブタジエンは1,3-ブタジエンからなります。
架橋を増やすほど伸びやすい?
単純にそうとはいえません。架橋は鎖のずれを抑えますが、多すぎると動きにくく硬くなるなど、性質は架橋の密度にも依存します。
出典・解答の確認
出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026年2月15日実施)化学 第Ⅰ問(10)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。
解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。
