中央大学 · 2026年度 · 電磁気・コンデンサー

コンデンサーの誘電体挿入と電荷保存理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅱ問 実験1(1)〜(4)

この問題は「コンデンサーの公式を何個知っているか」よりも、「いま一定なのは電圧か、電気量か」が決め手です。スイッチを開く前と後に縦線を引くつもりで、3つの状態を整理します。

ばねと振動の概念イラスト
考え方のイメージ図。正確な条件は下の図で確認。
中央大学 2026年度 · 物理

問題文・図

理工3学部(一般・英外) 第Ⅱ問 実験1(1)〜(4)

中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅱ問 実験1(1)〜(4):問題 8ページの問題文・図・選択肢
問題 8ページ · 公式PDF 10ページ
中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅱ問 実験1(1)〜(4):問題 9ページの問題文・図・選択肢
問題 9ページ · 公式PDF 11ページ
中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅱ問 実験1(1)〜(4):問題 10ページの問題文・図・選択肢
問題 10ページ · 公式PDF 12ページ
中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅱ問 実験1(1)〜(4):問題 11ページの問題文・図・選択肢
問題 11ページ · 公式PDF 13ページ

出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗

条件を整理する

横幅ℓ、奥行きw、極板間隔dの平行板コンデンサーを、電圧Vの電源に抵抗・スイッチを介して接続します。誘電率εAの誘電体をx=a(0<a<ℓ/2)まで入れて充電し、スイッチを開いてからx=ℓ/2まで進め、再接続します。極板端の効果を無視。第Ⅱ問の実験1だけを扱います。

まず、答えから

電源を切ってから誘電体を入れると、電圧はどう変わる?

電源を切ったあとは電気量Qが一定です。挿入量xの増加で容量C(x)が大きくなるため、電圧Q/C(x)は下がります。容量はC(x)=w{εA x+ε₀(ℓ−x)}/d。aからℓ/2まで挿入した電圧は2{εA a+ε₀(ℓ−a)}V/{ℓ(εA+ε₀)}です。

さわって理解する

挿入量を増やして、容量と電圧を比較

例として比誘電率3、初めの挿入率a/ℓ=0.2。初めに充電してから電源を切った場合を描きます。横軸の挿入率を0.2から0.5へ動かしましょう。C₀は空気だけの容量です。

εA=3ε₀空気 ε₀電源を切った状態:Q一定容量 C / C₀=1.4電圧 V(x) / V=1

挿入率 0.2 · C/C₀=1.4 · 電圧比 1(初めのQ=1.4C₀Vを保存)

解法を、順番に。

STEP 01

横に並ぶ領域は、同じ電圧をもつ並列接続

誘電体の入った面積はwx、空気だけの面積はw(ℓ−x)。どちらも同じ2枚の極板につながり、極板間の電圧を共有します。したがって2つの容量を足します。

空気と誘電体を電場の向きに重ねる実験2の直列合成とは違います。本記事は横から部分挿入する実験1です。

C(x)=εAwxd+ε0w(ℓ−x)dC(x)=\frac{\varepsilon_Awx}{d}+\frac{\varepsilon_0w(\ell-x)}{d}
STEP 02

電源につないで十分に待つと、Q=C(a)V

充電が終わると電流は0になり、抵抗の電圧降下も0です。コンデンサーの電圧は電源のV。初期容量C(a)を使って電気量Q₀を計算します。

抵抗Rは充電にかかる時間に関係しますが、十分時間が経過した最終電気量の式には残りません。

Q0=C(a)V=wVd{εAa+ε0(ℓ−a)}Q_0=C(a)V=\frac{wV}{d}\{\varepsilon_Aa+\varepsilon_0(\ell-a)\}
STEP 03

スイッチを開いた後は、Qを変えない

電荷の出入りがないためQ₀が保存されます。誘電体を半分まで挿入すると、容量はwℓ(εA+ε₀)/(2d)。新しい容量で同じQ₀を割るとV₁です。

εA>ε₀なら容量が増えるためV₁<V。ここで「電池があるからVのまま」とすると、スイッチを開いた条件を使えていません。

V1=Q0C(ℓ/2)=2{εAa+ε0(ℓ−a)}ℓ(εA+ε0)VV_1=\frac{Q_0}{C(\ell/2)}=\frac{2\{\varepsilon_Aa+\varepsilon_0(\ell-a)\}}{\ell(\varepsilon_A+\varepsilon_0)}V
STEP 04

再接続で加わる電荷は、最終値から引く

再接続して十分待つと、電圧は再びVへ戻ります。最終電気量はC(ℓ/2)Vなので、追加分はこの値とQ₀の差です。

公式解答の選択肢は(1)c、(2)e、(3)b、(4)b。a=ℓ/2という境界に近づけると追加電荷が0へ近づくことも、式の検算になります。

ΔQ={C(ℓ/2)−C(a)}V=wV2d(εA−ε0)(ℓ−2a)\Delta Q=\{C(\ell/2)-C(a)\}V=\frac{wV}{2d}(\varepsilon_A-\varepsilon_0)(\ell-2a)
3問で、思い出す

解き方、つかめた?

ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。

0 / 3 問を確認

01 電源から切り離したコンデンサーで、誘電体挿入中に保存されるのは?
答えと理由を見る

電気量Q。理想的に漏電がなければ、電荷が出入りしないのでQ一定です。

02 横から部分挿入した誘電体領域と空気領域は、どう合成する?
答えと理由を見る

並列。両領域は同じ極板間の電圧を共有するので、容量を足します。

03 Q一定で容量が2倍になると、電圧は?
答えと理由を見る

1/2倍。V=Q/Cなので、容量に反比例します。

よくある疑問

なぜ抵抗Rが答えに出ない?

十分な時間が経過した後は電流が0になり、抵抗の電圧降下がなくなるからです。

誘電体を入れると電圧は必ず下がる?

電気量一定なら下がります。電源につないで電圧が一定なら、電源から電荷が補充されます。

出典・解答の確認

出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026-02-15実施)物理 第Ⅱ問 実験1(1)〜(4)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。

解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。

編集・検証方針 · 誤りの連絡:Curigo編集部