中央大学 · 2026年度 · 力学・単振動

2物体のばね振動と換算質量理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅰ問 1(5)〜(13)・2

壁に固定したばねならω=√(k/m)。両端が動く場合に、mへ単純にm₁+m₂を入れるのは正しくありません。2つの物体の間隔がどう変わるかと、重心がどこにあるかを分けて考えます。

ばねと振動の概念イラスト
考え方のイメージ図。正確な条件は下の図で確認。
中央大学 2026年度 · 物理

問題文・図

理工3学部(一般・英外) 第Ⅰ問 1(5)〜(13)・2

中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅰ問 1(5)〜(13)・2:問題 3ページの問題文・図・選択肢
問題 3ページ · 公式PDF 5ページ
中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅰ問 1(5)〜(13)・2:問題 4ページの問題文・図・選択肢
問題 4ページ · 公式PDF 6ページ
中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅰ問 1(5)〜(13)・2:問題 5ページの問題文・図・選択肢
問題 5ページ · 公式PDF 7ページ
中央大学2026年度 理工3学部(一般・英外) 物理 第Ⅰ問 1(5)〜(13)・2:問題 2ページの問題文・図・選択肢
問題 2ページ · 公式PDF 4ページ

出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗

条件を整理する

1本のばねの両端に質量m₁とm₂の小球を付け、伸ばした状態で静止させてから放します。重力・摩擦は無視し、直線方向だけの運動を考えます。問題は補助的な2本のばねの直列接続から、角振動数、振幅比、m₂が非常に大きい場合を導く構成です。

まず、答えから

ばねの両端が動くとき、角振動数はどう求める?

ばね定数k、両端の質量m₁・m₂に対し、ω=√(k(m₁+m₂)/(m₁m₂))。換算質量μ=m₁m₂/(m₁+m₂)を使えば√(k/μ)です。静止から放したときの振幅比はA₂/A₁=m₁/m₂です。

さわって理解する

重い方は、どれくらい動く?

m₁=1 kg、k=1 N/mとし、m₂/m₁を変えます。図は最大伸び時の位置を表示。重心は固定したまま、振幅比と角振動数が変わります。

重心は静止m₂=3 kgm₁=1 kg振幅 A₂ / A₁=0.333

換算質量 μ=0.75 kg · ω=1.155 rad/s · A₂/A₁=0.333

解法を、順番に。

STEP 01

補助的なばね2本では、同じ振動数をそろえる

問題の前半では、ばね定数k₁・質量m₁の単振動に、ばね定数k₂・質量m₂の振動を接続します。両方が同じ角振動数をもつ条件はk₁/m₁=k₂/m₂です。

同じ大きさの力を伝えるには、ばね2の伸びの振幅が(k₁/k₂)A₁になればよいので、空欄(6)はk₁/k₂となります。

ω=k1/m1,k1m1=k2m2\omega=\sqrt{k_1/m_1},\quad \frac{k_1}{m_1}=\frac{k_2}{m_2}
STEP 02

直列では、力が共通で伸びが足される

質量を無視した2本のばねを引くと、それぞれを引っ張る力の大きさはFです。伸びはF/k₁とF/k₂。全体の伸びはこの和なので、合成ばね定数の逆数が足し算になります。

同じ角振動数の条件を代入するとk=m₂k₁/(m₁+m₂)。この式からk₁を消去すれば、問題が求める角振動数に到達します。

Fk=Fk1+Fk2,k=k1k2k1+k2=m2m1+m2k1\frac{F}{k}=\frac{F}{k_1}+\frac{F}{k_2},\quad k=\frac{k_1k_2}{k_1+k_2}=\frac{m_2}{m_1+m_2}k_1
ω=k(m1+m2)m1m2\omega=\sqrt{\frac{k(m_1+m_2)}{m_1m_2}}
STEP 03

別の見方:相対変位には換算質量を使う

ばねの自然長からの伸びをrとします。右の物体には−kr、左の物体には+kr。右の加速度から左の加速度を引くと、間隔の加速度は−k(1/m₁+1/m₂)rです。

この係数がω²です。1/μ=1/m₁+1/m₂と置いたμを換算質量と呼びます。合計質量ではなく、両方が近づいたり離れたりする運動に対応する量です。

r¨=−k(1m1+1m2)r,μ=m1m2m1+m2\ddot r=-k\left(\frac1{m_1}+\frac1{m_2}\right)r,\qquad \mu=\frac{m_1m_2}{m_1+m_2}
STEP 04

重心が動かないことから振幅比を読む

外力がなく、最初に両方が静止していたので、重心は静止したままです。各物体のつり合いからの変位をx₁・x₂とすればm₁x₁+m₂x₂=0。動く向きは逆で、振幅の比は質量の逆比です。

m₂が非常に大きいとA₂は非常に小さく、壁のようにほぼ動きません。式でも1/m₂が0に近づき、いつもの√(k/m₁)になります。この極限で答えを検算できます。

A2A1=m1m2,m2≫m1⇒ω≃km1\frac{A_2}{A_1}=\frac{m_1}{m_2},\quad m_2\gg m_1\Rightarrow\omega\simeq\sqrt{\frac{k}{m_1}}
3問で、思い出す

解き方、つかめた?

ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。

0 / 3 問を確認

01 外力なし・2物体を静止から放したばね振動で、重心は?
答えと理由を見る

静止したまま。外力が0で初めの全運動量が0なので、重心速度は0です。

02 m₂=3m₁のとき、振幅比A₂/A₁は?
答えと理由を見る

1/3。重心静止の条件からm₁A₁=m₂A₂です。

03 m₂が非常に大きいとき、角振動数は何に近づく?
答えと理由を見る

√(k/m₁)。重い側がほぼ固定端となり、質量m₁のばね振り子へ近づきます。

よくある疑問

同じ質量mをつなぐと角振動数は?

換算質量がm/2になるため、ω=√(2k/m)です。

直列のばね定数はなぜ小さくなる?

同じ力に対する全体の伸びが、2本の伸びの和になるためです。

出典・解答の確認

出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026-02-15実施)物理 第Ⅰ問 1(5)〜(13)・2。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。

解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。

編集・検証方針 · 誤りの連絡:Curigo編集部