問題文・図
理工3学部(一般・英外) 第Ⅲ問





出題:中央大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗
条件を整理する
n molの単原子理想気体が、A→Bで温度T₁の等温膨張、B→Cで断熱膨張、C→DでT₂の等温圧縮、D→Aで断熱圧縮を行います。T₁>T₂、体積VA・VBを指定。比熱比、状態C・D、内部エネルギー変化、図の面積と熱効率の関係を問う第Ⅲ問です。
等温・断熱を組み合わせた熱機関の効率は?
高温T₁、低温T₂(絶対温度)で動くこの可逆サイクルの熱効率は1−T₂/T₁です。p–V図のループ内部の面積が正味の仕事、高温の等温膨張の曲線下の面積が吸収熱。単原子理想気体の比熱比は5/3です。
低温側の温度を変えると、仕事の面積は?
例としてT₁=600 K、nR=1 J/K、VA=1 m³、VB=2 m³。T₂を動かすと断熱曲線も変わります。青が等温過程、緑が断熱過程。囲まれた領域が1サイクルの正味の仕事です。
T₂=300 K · 熱効率 50% · 吸収熱 415.888 J · 正味の仕事 207.944 J
解法を、順番に。
単原子理想気体の比熱比は5/3
内部エネルギーU=(3/2)nRTから、定積モル比熱CV=3R/2です。マイヤーの関係Cp=CV+RでCp=5R/2となり、γ=Cp/CV=5/3。
等温部分では理想気体の内部エネルギーは変わりません。AとBの圧力は状態方程式を、そのまま各体積に適用します。
断熱変化はTV^(γ−1)が一定
pV^γ一定にpV=nRTを代入すると、TV^(γ−1)一定になります。γ−1=2/3なので、温度が下がったあとの体積は(T₁/T₂)^(3/2)倍。
CとDの体積はそれぞれBとAの体積に同じ倍率を掛けるので、VC/VD=VB/VAです。これが最後の熱効率を簡単にします。
断熱では、外にした仕事だけ内部エネルギーが減る
気体が外にした仕事をWとすればΔU=Q−W。断熱のB→CではQ=0なので、曲線下の面積だけ内部エネルギーが減ります。D→Aでは圧縮されるため増え、増減量は打ち消し合います。
問題の微小変化では(1+x)^a≃1+axを使い、ΔV≃(3/2)VB ΔT/T₁。pBを掛けると(3/2)nRΔTとなり、内部エネルギー式と一致します。
ループの面積を、吸収した熱で割る
等温膨張A→BではΔU=0なので、曲線下の面積ABbaAが吸収熱QH。等温圧縮C→Dで放出する熱の大きさQCは面積DCcdDです。正味の仕事はループABCDAの面積になります。
積分で確かめるとQH=nRT₁ log(VB/VA)、QC=nRT₂ log(VC/VD)。体積比が等しいため、QC/QH=T₂/T₁となります。対数で表す部分は、面積の説明を補う独自の別解です。
解き方、つかめた?
ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。
0 / 3 問を確認
よくある疑問
p–V図のどの面積が正味の仕事?
1サイクルのループが囲む面積です。時計回りなら気体が外にする正味の仕事が正になります。
なぜ効率は100%より小さい?
このサイクルは低温側へ熱を放出し、T₂>0 Kでは1−T₂/T₁が1より小さくなるからです。
出典・解答の確認
出題:中央大学 2026年度 理工3学部(一般・英外)(2026-02-15実施)物理 第Ⅲ問。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。
解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。
