問題文・図
理学部コア試験(物理基礎+物理) 第3問(a)〜(f)
理学部コア試験「物理基礎+物理」の第3問。ボーア模型の(a)〜(f)を2ページに分けて掲載します。


出題:学習院大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗
条件を整理する
原子番号Zの原子核と電子1個をボーア模型で考える。電子は速さv、半径rで円運動する。電子波の波長はh/(mv)で、円周がそのn倍になる軌道をn番目とする。r、v、Eₙ,Zを求め、He⁺のn=2→1で放出される光子のエネルギーと水素n=1の半径を求める。
軌道半径と光子のエネルギーは?
rₙ=n²h²/(4π²mk₀Ze²)、Eₙ,Z=−2π²mk₀²Z²e⁴/(n²h²)。He⁺の2→1の光子は3|E₁,₁|=6.6×10⁻¹⁸ J。水素の基底軌道半径は約5.2×10⁻¹¹ mです。
nとZで軌道の大きさを比べる
水素の1番目を基準に、量子数nと核電荷Zを変えます。
水素 n=1:半径 1r₁ · E = −2.2×10⁻¹⁸ J
軌道
解法を、順番に。
(a) クーロン力が向心力になる
核の電荷はZe、電子は−e。引力k₀Ze²/r²が向心力mv²/rになります。まずrをvで表すとr=k₀Ze²/(mv²)です。
(b)(c) 電子波が円周に整数個収まる
n番目の軌道では2πr=nλ。電子波の波長λ=h/(mv)を代入するとv=nh/(2πmr)です。この式と向心力の式を連立するとrₙはn²/Zに比例し、vₙはZ/nに比例します。
(d) 運動エネルギーと位置エネルギーを足す
位置エネルギーの基準は核と電子が無限に離れた状態です。電気力による位置エネルギーは−k₀Ze²/r。向心力の式から運動エネルギーmv²/2=k₀Ze²/(2r)なので、和は負の半分になります。
(e) He⁺の遷移ではZ²の比を使う
水素はZ=1、He⁺はZ=2です。同じnならHe⁺の軌道エネルギーは水素の4倍。E₂,₂=E₁,₁、E₁,₂=4E₁,₁なので、2→1で放出する光子はE₂,₂−E₁,₂=−3E₁,₁=3|E₁,₁|です。与えられた−2.2×10⁻¹⁸ Jから6.6×10⁻¹⁸ Jを得ます。
(f) 水素の半径をエネルギーから逆算
基底軌道ではE₁,₁=−k₀e²/(2r₁)。問題に与えられたk₀=9.0×10⁹、e=1.6×10⁻¹⁹ C、E₁,₁=−2.2×10⁻¹⁸ Jを代入するとr₁≈5.2×10⁻¹¹ mです。単位はmで確認します。
解き方、つかめた?
ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。
0 / 3 問を確認
よくある疑問
He⁺とヘリウム原子は同じ?
異なります。He⁺は電子を1個だけ持つイオンなので、この1電子のボーア模型を適用できます。
軌道エネルギーが負になる理由は?
無限に離れた状態を0とするため、核に束縛された電子の全エネルギーは負です。
光子のエネルギーは負にならない?
放出される光子のエネルギーは正です。電子の遷移前のエネルギーから遷移後のエネルギーを引きます。
出典・解答の確認
出題:学習院大学 2025年度 理学部コア試験(物理基礎+物理)(2025年2月7日実施)物理 第3問(a)〜(f)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。
解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。
