学習院大学 · 2026年度 · 熱サイクル・PV図・熱効率

6過程の熱サイクルを解く理学部コア試験(物理基礎+物理) 物理 第3問(a)〜(f)

定積・定圧の6過程をPV図に置きます。仕事は囲まれた面積。効率にはサイクル全体で受け取った熱だけを使います。

6状態の熱サイクルを示す独自の概念図
考え方のイメージ図。正確な条件は下の図で確認。
学習院大学 2026年度 · 物理

問題文・図

理学部コア試験(物理基礎+物理) 第3問(a)〜(f)

理学部コア試験「物理基礎+物理」の第3問。(a)〜(f)の条件と設問を2ページに分けて掲載します。

学習院大学2026年度 理学部コア試験(物理基礎+物理) 物理 第3問(a)〜(f):第3問 前半(a)〜(c)の問題文・図・選択肢
第3問 前半(a)〜(c) · 公式PDF 13ページ
学習院大学2026年度 理学部コア試験(物理基礎+物理) 物理 第3問(a)〜(f):第3問 後半(d)〜(f)の問題文・図・選択肢
第3問 後半(d)〜(f) · 公式PDF 14ページ

出題:学習院大学。公式問題の該当箇所を抜粋。原本PDF ↗

条件を整理する

単原子分子理想気体n mol。Aは(P₀,V₀)。A→Bは定積で5P₀、B→Cは定圧で3V₀、C→Dは定積で3P₀、D→Eは定圧で5V₀、E→Fは定積でP₀、F→Aは定圧でV₀へ戻す。T₀、Q₁、Q₂、PV図、正味の仕事W、熱効率eを求める。

まず、答えから

この熱サイクルの仕事と効率は?

T₀=P₀V₀/(nR)、Q₁=6P₀V₀、Q₂=25P₀V₀。正味の仕事は12P₀V₀。吸熱は46P₀V₀なので効率は6/23です。

さわって理解する

PV図で仕事と吸熱を切り替える

状態の配置、囲む面積、熱を受け取る過程を順に確認します。

6状態をPV図に配置ABCDEFV₀3V₀5V₀P₀3P₀5P₀

A→B→C→D→E→F→A

解法を、順番に。

STEP 01

(a) Aの温度を状態方程式で求める

状態Aの圧力と体積はP₀とV₀です。理想気体の状態方程式P₀V₀=nRT₀から温度が決まります。以後はP₀V₀をエネルギーの単位として計算します。

T0=P0V0nRT_0=\frac{P_0V_0}{nR}
STEP 02

(b)(c) 吸収した熱は内部エネルギーと仕事の和

単原子分子理想気体の内部エネルギーはU=3PV/2です。A→Bは体積一定なので仕事は0。PVが1から5へ増え、Q₁=ΔU=6P₀V₀となります。

B→CではPVが5から15へ増えます。内部エネルギーの増分は15P₀V₀。圧力5P₀のもとで体積が2V₀増えるため仕事は10P₀V₀です。第一法則からQ₂=25P₀V₀となります。

U=32PV,QAB=32(5−1)P0V0=6P0V0U=\frac32PV,\qquad Q_{AB}=\frac32(5-1)P_0V_0=6P_0V_0
QBC=32(15−5)P0V0+5P0(3V0−V0)=25P0V0Q_{BC}=\frac32(15-5)P_0V_0+5P_0(3V_0-V_0)=25P_0V_0
STEP 03

(d) 6状態をPV図に置く

横軸をV/V₀、縦軸をP/P₀とするとA(1,1)、B(1,5)、C(3,5)、D(3,3)、E(5,3)、F(5,1)です。定積過程は縦、定圧過程は横に進みます。矢印はA→B→C→D→E→F→Aの順です。

STEP 04

(e) 外部にした正味の仕事を面積で確認する

定積過程では仕事が0。定圧過程ではB→Cが10P₀V₀、D→Eが6P₀V₀、F→Aが−4P₀V₀です。和は12P₀V₀。PV図の囲む領域を2つの長方形に分けても8+4=12と確認できます。

W=(10+6−4)P0V0=12P0V0W=(10+6-4)P_0V_0=12P_0V_0
STEP 05

(f) 受け取った熱だけを分母にする

D→Eでも気体は熱を受け取ります。PVは9から15へ増え、内部エネルギーの増分が9P₀V₀。外部にした仕事6P₀V₀を足すとQ₃=15P₀V₀です。ほかの3過程は放熱なので、吸熱の総和は6+25+15=46P₀V₀になります。

1サイクル後は内部エネルギーが元に戻ります。正味の熱と仕事は等しく、効率は12/46=6/23です。

QDE=32(15−9)P0V0+3P0(5V0−3V0)=15P0V0Q_{DE}=\frac32(15-9)P_0V_0+3P_0(5V_0-3V_0)=15P_0V_0
Qin=(6+25+15)P0V0=46P0V0,e=WQin=623Q_{\mathrm{in}}=(6+25+15)P_0V_0=46P_0V_0,\qquad e=\frac{W}{Q_{\mathrm{in}}}=\frac6{23}
3問で、思い出す

解き方、つかめた?

ここからはCurigo独自の確認クイズです。選んだあと、理由まで確かめましょう。

0 / 3 問を確認

01 単原子分子理想気体の内部エネルギーUは?
答えと理由を見る

3PV/2。単原子分子の定積モル比熱は3R/2なのでU=3nRT/2=3PV/2です。

02 圧力5P₀のまま体積がV₀から3V₀へ増えるとき、気体の仕事は?
答えと理由を見る

10P₀V₀。定圧過程の仕事はPΔV=5P₀×2V₀=10P₀V₀です。

03 吸熱が6、25、15 P₀V₀で正味の仕事が12P₀V₀の熱機関。効率は?
答えと理由を見る

6/23。吸熱の合計は46P₀V₀。12/46を約分して6/23です。

よくある疑問

熱サイクルの仕事が図の面積になる理由は?

各定圧過程の仕事PΔVを符号つきで足すと、PV図で囲む領域の面積になります。定積過程の仕事は0です。

冷却している過程は効率の分母に入れる?

入りません。効率の分母Qinには気体が受け取った正の熱だけを足します。

定積過程でも熱が出入りする?

はい。体積一定で仕事が0でも、温度と内部エネルギーが変われば熱が出入りします。

出典・解答の確認

出題:学習院大学 2026年度 理学部コア試験(物理基礎+物理)(2026年2月7日実施)物理 第3問(a)〜(f)。問題文・図・選択肢は大学公式PDFの該当箇所を抜粋して掲載しています。「条件を整理する」はCurigoによる要約です。

解説・計算図・確認クイズはCurigoが独自に作成。公開されている解答例との照合に加え、代入・式変形・全列挙・数値計算など、設問に応じた検算を行っています。図の操作は理解を助けるためのもので、証明は本文に示しています。

編集・検証方針 · 誤りの連絡:Curigo編集部